SaaSの契約の組み立て:書類の優先関係と成立の時点

法人向けのSaaSの条件は、利用規約・申込書・個別契約書・料金表・仕様書と、いくつもの書類に分かれていきます。最初に決めるのは、どの書類が契約の内容になり、食い違ったらどれが優先するかです。

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ウェブの規約を個別契約より上に置いたまま特別な条件を約束すると、規約の改定でその約束が上書きされ得ます。

このページの要点

  • 優先関係の型は案件ごとに違う。顧客ごとの特約、申込書・個別契約、別紙、規約本文、ガイドの順を基本にする。
  • 同じ日に結ぶ特約は「後の合意が優先」で救われないので、優先関係の条項を必ず置く。
  • 契約の成立(承諾の時点)と料金の支払義務の発生を分けて書き、担当者の権限を表明させる。
  • 「法人向け」と書いても、消費者かどうかは実態で判断される(消費者契約法2条1項)。事業者の定義と事業目的の表明を置く。

結論:法人向けSaaSの契約は「書類が何枚あり、どれが勝つか」から決める

法人向けのSaaS(インターネット経由でソフトウェアを利用させるクラウドサービス)の契約は、1枚の契約書で完結することがむしろ少数です。ウェブに掲載する利用規約、顧客ごとに結ぶ申込書や個別契約書、料金表、見積書、仕様書、サポートの案内、別紙の特約と、条件があちこちの書類に分かれていきます。アトラス行政書士法人がこれまで作成・レビューしてきたSaaSの契約書類を並べると、紛争の芽になりやすいのは個々の条文の出来よりも、書類どうしの関係が決まっていないことでした。

このページでは、契約の全体の組み立てについて、事務所の書類で決めてきた次の4点を順に説明します。

  1. どの書類が契約の内容になり、食い違ったらどれが優先するか(優先関係)。
  2. 契約がいつ成立し、いつから料金がかかるか(成立と課金開始の時点)。
  3. 利用規約・基本契約・個別契約の三層で、期間や責任の定めをどうそろえるか。
  4. 「法人向け」と書いた規約に、個人事業主や開業前の個人が入ってきたときにどう扱うか。

料金の段の決め方は料金設計のページ、期間と解約は期間・自動更新・中途解約のページで詳しく扱います。

優先関係の型は、事務所の書類だけでも5通り以上ある

「規約と申込書が食い違ったらどちらに従うか」という条項は、ほとんどのSaaSの書類に置かれていますが、その中身は案件ごとにかなり違います。事務所が作成・レビューした書類から、優先関係の型を拾い出すと次のようになります。

事務所の書類に現れた優先関係の型

サービスの種類優先の順序特徴
法人向けの音声応答クラウド(個別のサービス提供契約+規約)個別契約 → 規約。ただし提供者が後から個別に示した文書がさらに優先提供者の後出しの文書が最上位に来る3層構造。顧客の側から見ると、後から届く案内で条件が変わり得る
法人向けの業務支援クラウド(約款)申込書の個別条件 → 約款 → 関連規定(料金表・ガイドライン等)個別条件の優先は「その契約に限る」と明記し、他の顧客への波及を断っている
採用支援のクラウド(個別契約書+企業向け規約)個別契約書・発注書 → 見積書・仕様書 → 規約 → 利用ガイド・FAQ4段。ガイドやFAQを最下位に置き、説明文が契約条件を書き換えないようにしている
制作管理のクラウド(申込書+規約)申込書と個別合意 → 規約申込書に「規約は申込書と一体となり契約内容の一部を構成する」と書き、同意のチェック欄を置く
生成AIの業務支援(基本契約+個別契約)個別契約 → 基本契約申込書・注文書・覚書・電磁的な合意でも個別契約が成立すると定める
データベースのクラウド(個別契約がウェブの規約を引用)ウェブの規約 → 個別契約逆向き。個別に特約しても、ウェブの規約と相反すれば規約が優先する構造

最後の型は、個別契約でせっかく合意した特別の条件が、ウェブの規約の改定によって上書きされる可能性を含んでいます。顧客の法務担当者がこの構造に気づけば、締結の前に修正を求めてくるのが通常です。一方で、提供者の側から見ると、全顧客に共通する条件(禁止事項・データの扱い・障害時の対応など)は規約で一律に管理したい、という事情もあります。

事務所が新しく書類を組むときは、次の順序を基本にして、顧客ごとに変わる条件だけを上位の書類に寄せています。

事務所が基本にしている優先の順序(上ほど優先)

  1. 顧客ごとの個別特約書継続割引・支払方法・特別な上限額など、その顧客だけの条件。優先はその顧客との契約に限る
  2. 申込書・個別契約書プラン、利用者数、期間、料金の額、開始日など取引ごとに決まる事項
  3. 別紙(料金表・外部委託先の一覧など)改定の頻度が高い事項。本文の中で改定の手続を定めておく
  4. 利用規約(本文)全顧客に共通の権利義務。禁止事項、データ、責任、解除、一般条項
  5. ガイド・FAQ・要旨表説明のための資料。契約条件を変更する効力を持たないと明記する

要旨表(契約の要点を1枚にまとめた表)は便利ですが、契約上の位置づけを書いておかないと、本文と食い違ったときの争いの種になります。

同じ日に結ぶ特約は「後の合意が優先」では救われない

民間のスクール向けの顧客管理クラウドを提供する依頼者から、自社のひな形の確認を依頼された案件では、ひな形を全顧客共通の本体として使い、継続割引や支払方法などの個別事情は別紙の特約で決める運用が予定されていました。ところが、ひな形には要旨表・料金表・本文・別紙特約・ウェブ上の説明の優先関係がどこにも書かれていませんでした。

事務所の報告書では、矛盾したときの解決の規範がないことに加えて、特約が本体と同じ日に結ばれると、「後からした合意が前の合意に優先する」という一般的な考え方も働かない、と理由まで書いて指摘しました。前後関係がない以上、どちらが優先するかは文言の解釈の争いになるからです。

事務所の改訂例:書類の優先関係

優先関係の条項

改訂前なし。要旨表・料金表・本文・別紙特約・ウェブの説明が並ぶだけ。(依頼者のひな形)
改訂後依頼者が書き直した第2版で「個別特約書 → 別紙 → 本文 → 要旨表」の順を置き、事務所の修正・加筆版でもこの順を維持しました。

理由全顧客共通の本体に特約を足していく運用では、特約が本体と同時に結ばれることが多く、時間の前後で優劣を決められません。

書類の呼び名

改訂前「申込書」「別紙」「発注書」が条文ごとにばらばらに使われていた。(商談設定サービスの依頼者の原案)
改訂後所定の「申込発注書」を「申込書等」と定義し直し、提供の内容と料金は「申込書等及び別紙」によると一本化しました。

理由呼び名が揺れていると、どの書類が契約の一部なのか、後から争われる余地が残ります。

提供の開始日

改訂前申込書の提出と受領の確認が「相互に電磁的方法で合意された日」。(同上)
改訂後受領の確認を終え、提供者が顧客に通知した日に効力が生じる、と改めました。

理由「合意された日」は誰がいつ確認したのか特定しにくく、通知した日なら記録で示せます。

送客の業務提携の契約では、契約書と「掲載およびデータ連携仕様書」の二層にし、仕様書は契約の一部を構成すること、仕様の変更は書面又は電子メール等の合意で足りることを定めました。改定の多い技術的な事項を別紙に出し、変更の手続を軽くしておく設計です。料金表についても同じ考え方がとれます(料金改定のページ)。

契約がいつ成立し、いつから料金がかかるか

契約は、申込みに対して相手方が承諾したときに成立し、法令に特別の定めがない限り書面の作成などの方式は要りません(民法522条1項・2項)。SaaSでは、この「承諾」がどの操作を指すのかを書いておかないと、アカウントは発行したが決済が済んでいない、決済は済んだが利用開始の案内をしていない、といった中間の状態で争いが生じます。

成立の時点の書き方の比較(事務所の書類から)

サービス成立の時点ねらい
議事録のクラウド(個人プランと法人プランの混在)個人プランはウェブで決済を完了した時点。法人プランは申込書の提出 → 提供者の承諾 → アカウント発行の時点法人は請求書払いを選べるようにし、成立の手順と決済方法を書き分けた
事業者専用の管理クラウド申込みの承諾 → 初期費用と初回月額の決済確認 → アカウント発行 → 「利用開始の通知の時」と「利用できるようになった時」の早い方決済のリンクに有効期限を付け、期限が切れたら条件を無効にできるようにした
投稿生成のクラウド(無料トライアルあり)会員登録を完了し、提供者が利用を可能にした時点で成立。料金の支払義務はトライアル終了日の翌日から成立と課金開始を分け、期間の計算は課金開始日から
施設向けの業務支援システム個別契約書への署名・記名押印による承諾を原則とし、電子契約に切り替えることもできる法人の顧客との個別締結を前提にした

条文例利用契約の成立(事業者専用のクラウドの例を一般化)

  1. 利用契約は、当社が申込みを承諾し、初期費用及び初回の利用料金の決済を確認したうえでアカウントを発行し、当社が利用の開始を通知した時又は契約者が本サービスを利用できる状態になった時のいずれか早い時に成立します。
  2. 当社が申込者に案内した申込みの画面又は決済のための案内に有効期限を定めた場合において、その期限までに決済が完了しないときは、当社は、その案内に示した条件を無効とすることができます。
  3. 法人の申込みを行う担当者は、申込者を代表する権限又は申込みを行う適法な権限を有することを表明し、保証します。

担当者の権限の表明保証は、顧客の社内で決裁を経ずに申し込まれた場合に、契約の成否が争われることへの備えです。

規約・基本契約・個別契約の三層で、期間と責任の定めをそろえる

法人の顧客と個別に契約書を交わしつつ、ウェブの規約も適用する構成では、二つの書類で期間や責任の上限が別々に書かれやすくなります。事務所の書類では、次のような手当てをしています。

  • 基本契約の期間を個別契約に連動させる。生成AIの研修・導入支援・保守を組み合わせたサービスの基本契約では、基本契約に固有の期間を置かず、「個別契約で定める期間」を有効期間とし、個別契約が存続する限り基本契約も効力を持つとしました。保守は1年、相談のオプションは6か月の自動更新と、個別契約ごとに期間を分けています。
  • 責任の上限を書類ごとに意図して変える。音声応答のクラウドでは、規約の上限を「損害の原因となった月の利用料金の1か月分」とし、導入支援を含む個別契約では「1か月分の利用料金又は支援業務の対価のいずれか高い方」としました。導入支援の料金が入る分、個別契約の上限を高くしています。
  • SaaS本体と付随業務を切り分ける。事業者専用の管理クラウドの規約では、導入支援・運用支援・受託開発・機能追加などの「個別業務」は規約とは別に見積書・申込書・個別契約で条件を定め、報酬も利用料金と別にする旨を3か所に入れました(料金設計)。
  • 営業資料の効力を決める。試行版の契約では、営業資料・デモ・メールのやり取りが多く「営業担当がこう言った」という主張が出やすいため、完全合意の条項(契約書に書いたことだけが合意の内容になる旨の条項)を残しました。逆に、ツールの提供会社から届いた原案をユーザー企業の側で修正した案件では、契約前の提案資料を契約の解釈の重要な資料と位置づける条を加えています。どちらの立場で書くかで結論が逆になる条項です。

「法人向け」と書いた規約に、個人が入ってくるとき

事業者向けのSaaSでも、利用者が個人事業主や副業・開業準備中の個人であることは珍しくありません。消費者契約法の「消費者」は、事業として又は事業のために契約の当事者となる場合を除いた個人をいい(消費者契約法2条1項)、名乗りではなく契約の実態で判断されます。特定商取引法の通信販売などの規律も、相手方が営業のために又は営業として締結する取引には適用されませんが(特定商取引法26条1項1号)、これも契約の目的・内容で判断され、「事業者専用」と書いただけで一律に外れるものではありません。

事業者向けの予約管理クラウドの規約・プライバシーポリシー・特商法表記を確認した案件では、利用者の類型ごとに見込みを整理しました。

利用者の類型と消費者関連法が及ぶ見込み(確認報告書の整理)

利用者の類型見込み
継続して営業している店舗・法人及ばない見込み
開業届を出している個人事業主及ばない見込み
副業を始めたばかりの個人判断が分かれる
開業準備中・趣味・サークルとしての利用及ぶ余地が大きい
事業の実態がない個人及ぶ可能性が高い

個人が混じったときに影響を受けるのは、責任の上限(消費者契約法8条)、返金しない旨や期間末の解約(同法9条1項1号・10条)、自動更新、規約や料金の変更、特商法の表示などです。その規約には「事業者」の定義も、事業目的で利用することの表明もなかったため、どちらも置くべき事項として挙げました。

また、誰でも登録でき、条件を交渉しないで申込みに進む事業者向けSaaSの規約は、定型約款(民法548条の2第1項。特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引で、内容の全部又は一部が画一的であることが双方にとって合理的なもの(定型取引)において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者が準備した条項の総体)に当たると整理しました。事業者間の取引でも同条は適用され得ます。一方、法人顧客と1社ずつ個別に締結し、重要な条件の変更に合意を要する構成にした試行版の契約は、定型約款に当たらないと判断しています。ただし、同じ書面を多くの協力企業と画一的に使うようになれば定型約款になり得るため、免責を「責任を負わない」と書き切らず、責任の上限の条項につなぐ書き方を採りました。同意の取り方や変更の手続の一般論は、姉妹サイトの利用規約の同意と定型約款で扱っています。

個人の混入への備え方(事務所の書類から)

事業者専用で閉じる

事業者専用の管理クラウド

  • 対象を「日本国内の法人及び個人事業主」に限定
  • 事業者でない者・海外での利用目的・未成年者の申込みは承諾拒否・取消し・解除の事由
  • 申込担当者の権限を表明保証させる

三者構造に開く

採用支援のクラウド

  • 当初の「法人限定・消費者は対象外」から、求職者も規約の当事者に加える構造へ改訂
  • 責任の上限に「契約者以外の利用者に責任を負う場合も法令上許容される範囲で」を追加

無料の個人を書き分ける

スカウト型の採用クラウドの学生向け規約

  • 支払額を上限とする条項に「無償利用の場合は上限なし」を付記
  • 無料の個人に上限0円が当てはまらないようにした

条項を足すときは、条番号をずらさない置き方を選ぶ

依頼者が自ら作った契約書をレビューして修正文案を示す場合、条を途中に挿入すると、以後の全条番号と、本文中の「第◯条」「前条」といった参照をすべて書き換える必要が生じます。反映の作業で参照の誤りが出やすいため、試行版の契約のレビューでは、定義は第1条5項に追加、利用の停止は禁止事項の条の2項から4項に追加、存続条項は末尾の次に新設、と既存の条番号を動かさない置き方を選びました。複数の章で同じ条を直したため、直した条の統合版の全文も報告書に付けています。

署名欄にも組み立ての問題があります。スクール向けのクラウドでは、顧客に法人と個人事業主の両方がいるため、第2版で署名欄を2種類にし、修正・加筆版では反社会的勢力の排除の条の「自己及び自己の役員」を「(甲が個人事業主である場合は甲本人)」と補いました。個人事業主には役員がいないため、そのままでは表明の対象が空になるからです。

管轄の条も、全体の組み立ての中で決めておきます。「乙の本店所在地を管轄する地方裁判所」と書くと、本店の所在地を管轄するのが地方裁判所の支部である場合に訴えの提起先が一読で分からず、本店を移転すれば合意の対象も動きます。試行版の契約のレビューでは、裁判所の名前を特定するよう提案しました。電子契約で締結しても、管轄の合意を記録した電磁的記録は書面とみなされるので(民事訴訟法11条3項)、合意管轄の効力は変わりません。

ヒヤリングの問いと理由書類の組み立てを決める前に

  1. 規約のほかに、顧客ごとに書面を交わしますか。

    交わすなら、その書面を規約より上に置くか下に置くかを最初に決めます。個別の書面を下に置くと、合意した特別の条件が規約の改定で上書きされ得ます。

  2. 料金表・外部委託先の一覧など、改定の多い事項はどこに書きますか。

    本文に書くと改定のたびに契約の変更手続が要ります。別紙にして改定の手続を本文に定めるのが基本です。

  3. 申込みはウェブの画面ですか、申込書ですか、電子契約ですか。

    成立の時点と、同意の記録の残し方が変わります。法人と個人で経路が違うなら書き分けます。

  4. 導入支援やカスタマイズも請け負いますか。

    請け負うなら、SaaS本体の規約と切り分けて、報酬・検収・責任の上限を別に定めます。

  5. 利用者に個人事業主や開業前の個人は入りますか。

    入るなら、事業者の定義と事業目的の表明を置き、責任や返金の条項を個人が混じっても成り立つ形にします。

起きがちなこと

契約の組み立てで起きがちなこと

  • 仕様書や別紙を契約の一部にしたのに、誰の合意でどの方法により変更できるかを書いていない。
  • 要旨表やFAQに書いた説明が、本文の条件と食い違っている。要旨表の位置づけが書かれていないと、要旨表を根拠に主張される。
  • ウェブの規約が個別契約に優先する構造のまま、個別に値引きや特別な上限を約束している。
  • アカウント発行・決済・利用開始の案内のどの時点で契約が成立するか書かれておらず、未決済のまま利用が始まる。
  • 「法人向け」と書いただけで、個人事業主や開業準備中の個人が申し込んだときの扱いを決めていない。
  • 修正文案を反映するときに条を挿入し、「前条」「第◯条」の参照がずれたまま締結される。

契約の組み立てが決まったら、次は料金の条の作り込みです。利用者数や生徒数で段が変わる料金の書き方は料金設計のページ、顧客データの帰属と利用の範囲は顧客データのページをご覧ください。

よくあるご質問

利用規約と個別契約書が食い違ったら、どちらが優先しますか?

書類の中に優先関係の条項があればそれに従います。事務所が新しく組む書類では、顧客ごとの個別特約書、申込書・個別契約書、別紙、規約本文、ガイド・FAQの順を基本にしています。ウェブの規約を個別契約より上に置く構造は、個別に合意した条件が規約の改定で上書きされ得るので、顧客の法務担当者から修正を求められやすくなります。

本体の契約書と同じ日に特約を結ぶ場合、優先関係を書く必要がありますか?

書いておくべきです。後からした合意が優先するという考え方は、同じ日に結んだ書類どうしでは前後が決まらないため働きにくく、どちらが優先するかが文言の解釈の争いになります。

SaaSの契約はいつ成立したことになりますか?

契約は申込みと承諾で成立し、書面は必須ではありません(民法522条)。SaaSではアカウント発行・決済の確認・利用開始の通知のどの時点を承諾とするかを規約に書いておくのが安全です。無料トライアルがある場合は、契約の成立と料金の支払義務の発生を分けて書きます。

「法人向け」と書けば、消費者契約法は適用されませんか?

名乗りでは決まりません。消費者契約法の消費者かどうかは、事業として又は事業のために契約するかという実態で判断されます。個人事業主や開業準備中の個人が使い得るなら、事業者の定義と事業目的の表明を置き、責任や返金の条項を個人が混じっても成り立つ形にしておきます。

自社のSaaSのひな形は定型約款になりますか?

誰でも登録でき条件を交渉しない形で使う規約は、事業者向けでも定型約款に当たり得ます。1社ずつ個別に締結し、重要な条件の変更に合意を要する構成なら当たらないと考えられますが、同じ書面を画一的に使うようになれば該当し得るので、免責を書き切らずに上限の条項へつなぐなどの備えをしておきます。

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